処理の仕組み

処理の仕組み
清流園では、各家庭から集めた「し尿」と「浄化槽汚泥」の汚れた水を、微生物の力を借りて、綺麗な水にして肱川に放流しています。

細菌類は自らの周りに粘性物質を分泌して、ゼラチン状のフロックと呼ばれるものを作り、このフロックに「し尿」と「浄化槽汚泥」に含まれる有機物が吸着します。

細菌類は、その吸着した有機物を栄養源にして生きています。
フロックは水より重たい為、その自らの重さで少しずつ沈むのですが、有機物だけでなく水中のゴミも吸着して沈むので、水が綺麗になるのです。
処理図

バキューム車によって集められた「し尿」と「浄化槽汚泥」は、前処理と呼ばれる設備によって、大きなゴミを取り除いた後、それぞれ「し尿貯留槽」と「浄化槽汚泥貯留槽」に送られます。


一旦、貯留槽に貯めた後、「し尿」と「浄化槽汚泥」は、一定量1日24時間連続で脱窒素槽へ送られ、硝化槽、二次脱窒素槽、再曝気槽を経て、沈殿槽に送られます。

沈殿槽では、ゴミを吸着したフロックが沈み、汚泥と上澄みの水に分離されます。

この上澄みの水は、更に混和槽、凝集槽に送られ、薬品を添加する事により化学的にフロックを形成し、凝集沈殿槽において更に汚泥と上澄みの水に分離します。

この上澄みの水はオゾン反応槽に送られ、オゾンの強力な酸化作用によって、主として色度成分が除去されます。

オゾン反応槽から流れ出た処理水は、砂ろ過塔に送られ、そこで水中の微小なゴミが除去されます。

さらに活性炭吸着塔において極めて微小なゴミが除去されます。

こうして処理された水は、最後に次亜塩素酸ソーダと呼ばれる薬品を加えて、大腸菌などの細菌を死滅させて、安全無害な処理水として、肱川に放流しています。


生物処理について
生物処理では、脱窒素菌と硝化菌という2種類の細菌が協力しあって、「し尿」と「浄化槽汚泥」の汚れを無害な空気(窒素)にしてくれます。
脱窒素槽と硝化槽という名前の2つの槽を、汚れた水が行ったり来たりして、くまなく汚れを細菌が食べてくれます。

【脱窒素槽】
  • 脱窒素菌は、空気を好まないので、脱窒素槽には少量の空気しか送りません。
  • 脱窒素菌は、「し尿」と「浄化槽汚泥」の汚れと硝酸を食べて、無害な空気(窒素)を作ります。

【硝化槽】
  • 硝化菌は、空気を好むので、硝化槽には多量の空気を送ります。
  • 硝化菌が、「し尿」と「浄化槽汚泥」の汚れと酸素を食べて、硝酸を作ります。
生物処理を代表する原生動物
脱窒素菌や硝化菌などの細菌類は、生物学的に一段レベルの高い原生動物と共生していることが多い。
この原生動物を観察することによって、生物処理の状態が良いかを知ることができます。
名 前 大きさ(ミクロン)※ 備  考
エピスティリス 50~90 生物処理が正常なとき多く観察される。
トコフィリア 50~70 生物処理が良好なとき多く観察される。
ボルティケラ 30~80 生物処理が良好なとき多く観察される。
ロタリア 300~500 生物処理が正常から悪化する際に多く観察される。
※1ミクロンとは1ミリの千分の1なので、原生動物の大きさは、ほぼ1ミリの10分の1くらいの大きさになります。