天英星 小李広

花栄


 元は青州は清風寨を守備する副知寨を勤める武官。代々武門の家柄で、民衆からの信頼も厚く、義を重んじる。
 ときには点鋼鎗を扱い、弓に関しては百発百中を腕を持つ。弓の名手としては広く名を轟かせている。綽名の小李広は漢時代の弓の名手、李広から由来されている。
 宋江とは古くからの付き合いがあり、義兄弟の契りを交している。宋江が殺人を犯し、逃亡している事を知ると幾度となく屋敷に招く手紙を送った。
 孔家より足を向けた宋江が、偶然にも清風山での妻を助け出した事が災いの元となる。元宵節の祭の最中宋江の姿を見かけた劉高夫人が命を救われた恩などなく宋江を賊よばわりして捕えさせた。一度は力づくで救出したが、劉高の悪智恵にかかり、闇夜に紛れて清風山へ身を隠そうとしていた宋江を捕えられてしまう。
 山賊とグルになっているという証拠を握り、清風寨の独り占めをもくろむ劉高は青州府に訴え黄信が派遣されると、巧みな口上で味方に引き込む。
 同じ武官である黄信の言葉を信用し、文官武官の仲違いを解決しようと言われ酒宴の席に出向くが、それが罠であり捕えられてしまう。奥から囚人車に押し込まれた宋江の姿を見ると抵抗をあきらめる。
 黄信劉高が自ら護送役となり、青州府へ行く途中、清風山三頭目の燕順王英鄭天寿に助け出され山寨に招かれると、捕えていた劉高を処刑し恨みをはらす。
 には妻と妹を残している事が気掛かりでいたが、黄信は清風鎮に逃げ帰り守りを固め青州府に援軍を求める。この一件で青州府は大騒ぎとなり、秦明が兵を連れて出陣する。
 激しい一騎討ちを繰り広げ、清風山全勢力をあげて秦明率いる青州軍を打ち破り秦明を仲間に引き込む。だが秦明仲間入りには多くの人の犠牲があって実現したのである。
 秦明の説得にて清風寨に籠っている黄信を仲間にすると妻と妹を助けだし、憎き劉高の妻を処刑した。
 妹を秦明の元に嫁がせ山寨は大いに賑わいだが、小規模の清風山に立て籠るのは不安が多く、討伐軍の動きがあると知ると宋江の勧めにて梁山泊に仲間いりする。途中対影山では戦中の呂方郭盛の戟の房が絡まったところを見事矢で射る神業をみせる。武芸一流どころの梁山泊内でも弓の腕で負ける事はない。飛ぶ雁を見事射落とし神臂将軍とたたえられた。
 祝家荘では先陣となり、高唐州では薛元輝を討ちとる。呼延灼戦、青州攻め、華州、芒碭山、北京、曽頭市戦、東平府攻めに参加。

 第九位、梁山泊の馬軍八驃騎兼先鋒使のひとりとなる。童貫率いる討伐軍との戦いでは九宮八卦陣の中軍で銀鎗手を率いる。
 遼国戦では、檀州、宋江の隊に加わり薊州、覇州、幽州攻めに参加。兀顔光の混天象陣に対して関勝の副将として敵中軍を攻め、同じく副将の張清と三人がかりで兀顔光を討ちとる。
 方臘戦では、宋江の隊に属し、潤州、丹徒県、蘇州、杭州、睦州攻めに参加する。
 平定後、武節将軍の称号を受け、応天府兵馬都統制に任ぜられるが、宋江が夢に現われ毒殺されたと知ると、宋江の墓に駆けつけ、呉用と二人で自害する。

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