武大の妻

潘金蓮


 武大の妻。その怪しげな美貌は男を魅了してやまない。手際のよい裁縫の腕前をもつ。
 以前は金持ちの家にて小間使いとして使われていたが、言いよった主人をきっぱりと断わり、夫人にいいつけた事から、主人の恨みをかい、当時住んでいた清河県いち醜い男と言われる武大の嫁にされた。貧乏人に嫁などもらえまい、とあきらめていただけに大喜び。
 若く色事をこのむ性である為、気の小さい醜い姿の夫に満足するはずがなく、毎日の様に街のごろつきを家にひっぱり込んでは楽しんでいた。
 噂を知った人々は「うまい羊の肉が犬の口にはいった」とはやしたてる。武大はついに清河県に居ずらくなったので、陽穀県の紫石街へと引っ越した。
 だが、浮気性は相変わらずで、つれてきた武大の弟、武松をひと目見るなり色気で攻めモノにしようとする。
 知事の仕事でしばらく東京へと出る事となった武松、兄への心配をよそに、ふと掛竿を落とした事から、間男西門慶と知り合う。隣りにすむやり手婆の王婆の仲介により、二人は結ばれ、恋に落ちる。  ある日、その密会現場を武大にみつかると西門慶は蹴りをくらって病気となる。
 武松の帰宅を恐れ、ついに西門慶の持つ毒薬で武大を毒殺する。
 邪魔者はなく、自宅で堂々と西門慶と夫婦きどり。しかし自由な日々も束の間、武松が帰ってくると武大は霊験を働かせ無念の死を訴える。そして毒殺は発覚したが、金の力で知事は訴えを退ける。法的には無理だとふんだ武松は復讐を開始。西門慶とともに首を落とされ髪をひとつに結ばれて、武大の位牌の前に置かれ若くして命果てる。

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