物語 第八十六回

賀重宝の罠


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 覇州を奪いとられた遼国では、幽州を守備する副統軍の賀重宝が出陣する事となった。賀重宝は二人の弟、賀拆・賀雲とともに兵を率いて出陣した。
 賀重宝の指示で、賀拆は宋江が駐屯する覇州、賀雲は盧俊義が駐屯する薊州を攻めた。だが梁山泊軍と少し戦っただけで逃げ出した。合流した宋江と盧俊義、敵は恐れをなして逃げたと考え、呉用と朱武の止めるのも聞かず、強気に幽州へ攻めた。
 途中、賀重宝率いる遼国軍が行く手を阻んでいた。それぞれ賀重宝と関勝が飛び出して戦ったが、しばらくして賀重宝は退き、宋江は後を追いかけた。すると両側に伏兵がいて、賀重宝も引き返してきた。梁山泊軍は二つに分断されてしまった。

 分断され後方にいる盧俊義は敵に囲まれて動きがとれなかった。そのとき怪しい風が吹き、黒霧がたちこめ視界が遮られた。暗闇の中、敵の攻撃を避け、なんとか包囲を突破したが、気付くと四方を高山に囲まれている。盧俊義と十二人の好漢、五千の兵は敵の策におち、逃げ出すことができなくなった。
 同じころ、宋江の隊にも怪しい風とともに黒霧が包んだが、その中でひとり公孫勝は敵の使った妖術だと気付き、背の剣を抜き術を使うと、霧は晴れ風もおさまった。
 宋江は盧俊義たちがいないのに気付き、解兄弟を猟師姿にして探りに出させた。さらに時遷、石勇、段景住、曹正を捜索に出した。

 解兄弟は山中にある一軒の民家を見つけて訪ねると、親切な猟師兄弟から青石峪に閉じ込められてのではないかと聞かされた。相談するため宋江のとろこに戻ると、白勝が戻っていた。
 山中に閉じ込められた盧俊義は、なんとか宋江へ助けを求めようと、白勝に命じて身体を袋に包み転がり落ちて救援を求めた。落ちたところを段景住と石勇が見つけた。解兄弟と白勝からの情報をもとに、青石峪へと向った。
 青石峪の入り口を賀重宝が守っていた。賀拆、賀雲が飛び出したが、賀拆は林冲に討たれ、賀雲も李逵たち歩兵に囲まれ戦死した。二人の弟を失い戦意喪失の賀重宝は妖術を使って逃げようとしたが、公孫勝の術のまえになす術がない。

 大混戦となるが好漢たちの活躍で遼兵を蹴散らし賀重宝は幽州へと逃げた。青石峪の入り口を塞いでいる大石を取り除き、盧俊義たちを救出した。盧俊義たちは休養のため薊州へと戻った。
 賀重宝が幽州城の守りを固めていると、雄州からの援軍がやってきた。赤い旗印は太真胥慶の五千の遼兵、青い旗印は李集率いる一万の遼兵。賀重宝は二隊を両側に伏兵させ、自ら出陣した。
 城へと迫った梁山泊軍、遼兵が篭城せず出陣しているのを見た呉用は敵に伏兵有りと気付き、軍を三隊にわけ、二隊を伏兵に当らせる事にした。一隊を率いる関勝は宣賛・思文を従え左へ、一隊を率いる呼延灼は単廷珪・魏定国を従えと右へ進めた。

 本隊を率いて進む宋江の前に、賀重宝が飛び出してきて林冲と戦ったがすぐに退き、同時に左右から伏兵が現われた。三方から梁山泊軍を攻めようとしたが、太真胥慶は関勝に遮られ、李集は呼延灼に。賀重宝は伏兵を見抜かれ不利と感じて、城へと馬を走らせた、だが前に立ちはだかるのは秦明と花栄、西門にまわると董平、南門には朱仝、再び北へ向ったが、不意に現われた黄信に馬を斬られ、歩軍の楊雄と石秀、宋万の三人によって一斉に攻められ賀重宝は戦死した。太真胥慶、李集は賀重宝が討たれたと知り、幽州を棄てて逃げ出した。
 耶律輝は幽州が落とされたと聞き激怒した。兀顔光が出陣することとなった。息子の兀顔延寿が先鋒を願い出た。兀顔延寿は幽州へと出陣した。


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