物語 第八十五回

偽りの投降


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 破竹の勢いで攻め寄せる梁山泊軍を遼国に迎え入れる案に対して、都統軍の兀顔光は猛反対したが、耶律輝は欧陽侍郎の意見を受け入れ、欧陽侍郎にすべてを任せる事にした。
 早速、欧陽侍郎が使者として薊州の宋江のもとを訪れた。宋江に対面して、礼物を渡し、梁山泊の好漢達を遼国の将として登用したい事を述べた。宋江は即答せず、皆と相談すると言って欧陽侍郎を引き取らせた。
 すぐに呉用に相談したものの、遼国に寝返る方法もあると言う呉用に対して、宋江には宋国を裏切る選択肢はない。呉用は、これを逆手にとって覇州を落とす策略を進言した。

 しばらく休戦となったところで、ふと羅真人の名を思い出した宋江、公孫勝、花栄、戴宗、呂方・郭盛、燕順、馬麟と五千の手下をつれて二仙山へと羅真人を訪れる事にした。
 しばらくして宋江達は二仙山の紫虚観へと到着した。公孫勝の案内によって羅真人と対面した宋江。将来を不安に思い、占ってもらったが、羅真人は宋江に八句の言葉を与えただけで深い意味は告げなかった。そして功をたてたら公孫勝を二仙山へ戻す事を約束した。
 公孫勝はわずかな時間だったが、母との対面を喜び、宋江達は翌日下山した。

 ひと月がたち、再び遼国の使者として欧陽侍郎がやってきた。宋江は計略通り、遼国に寝返るふりをして覇州を落とす行動にうつった。宋江に従う十四人の好漢と手下達は欧陽侍郎に案内され、益津関を通りぬけ覇州城へと入った。
 覇州城を守っているのは国舅の康里定安、その部下には金福侍朗と葉清侍朗の二人、数多くの兵士を従えていた。宋江達との対面を喜び、盛大な宴で歓迎した。
 宋江は、あとから軍師の呉用がやってくるから関門を通してくれるように頼むと、欧陽侍郎は益津関へ使者を出してその言葉を伝えた。

 そのころ益津関では、呉用がやってきたので守備兵は指示通り関門を開いて入れようとすると、その後ろから十人ほどの人影が現われ、和尚と行者が強引に門をくぐろうとして混乱となった。
 呉用が無事に関に入ると、守備兵を次々と斬り倒していく魯智深と武松の二人、後ろに続くのは解兄弟や楊林、李立、李雲、石勇、郁保四、時遷、段景住。遼兵を次々倒していった。
 続いて盧俊義達も兵士を率いて攻め、作戦通り益津関を奪い取った。呉用は覇州へと馬を進め、盧俊義達も呉用の後を追いかけるふりをして、覇州城を目指した。

   呉用は無事に覇州城へ入ったが、しばらくして盧俊義達が城へと押し寄せた。宋江は盧俊義に対して仲間割れの芝居を行い、林冲・花栄・朱仝・穆弘を出し、盧俊義と戦わせたが、四人は負けたふりをして城内へ逃げ込み、故意に盧俊義達を城ヘと入れさせたので、宋江達も一斉に城内で行動を起こし、城内は大混乱となり梁山泊軍の手に落ちた。
 康里定安と三人の侍郎も捕らえられ、宋江から偽りの投降だと聞かされた。康里定安と侍郎達は生き残った兵士とともに幽州へと逃げ帰り報告した。偽りの投降によって覇州を奪い取られたと聞かされた耶律輝は激怒し、副統軍の賀重宝に出撃を命じた。


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