物語 第八十二回

梁山泊招安


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 高俅は屋敷に監禁していた蕭譲と楽和が姿を消した事を知ると、梁山泊の仲間の仕業だろと思い、しばらく仮病をつかって屋敷に閉じこもった。
 燕青から真実を聞いた皇帝は童貫を呼び出し、前の梁山泊討伐軍の事を問いただした。童貫は以前の報告と同じように、兵士が暑さでバテ戦いにならず引き返したと言うと、皇帝は激怒して童貫をとがめた。童貫は何も言えず退き、しばらく病と偽って屋敷に閉じこもった。
 皇帝は梁山泊へ招安の使者を募ると、宿元景が名乗り出た。皇帝自ら招書を書くと、百八人分の牌、服地、錦、御酒の準備が整えられ、宿元景を使者とする招安の一行は開封を出発した。

 蕭譲と楽和の救出に成功して梁山泊へと戻った戴宗と燕青は、開封での出来事を宋江に報告した。皇帝に直接会い梁山泊の帰順への念いを伝え、皇帝の心を動かす事に成功し、朝廷は梁山泊を招安する方向へ動きつつある、と聞いた宋江は、さらに詳しい調査をさせるため、再び戴宗と燕青を開封へ探りに出させた。
 数日して開封から戻ってきた二人から、宿元景を使者とする招安の一行がすでに梁山泊へと向っていると聞き、宋江は喜び、すぐに使者を迎え入れる準備が進められた。

 済州に到着した宿元景一行、済州太守の張叔夜が出迎えた。以前二度の招安は使者の人選が悪く、梁山泊を怒らせる結果となったが、今回は必ず成功するだろうと、梁山泊へ招安の件を伝えに行った。宿元景はしばらく済州城に留まり、張叔夜の帰りを待った。
 梁山泊に到着した張叔夜、知らせを受けた宋江は下山し、朝廷からの招安の報告を受けた。待ち望んでいた招安に喜び、すぐに山寨で酒宴を開いてもてなそうとしたが、清廉な張叔夜は固く断った。宋江は、呉用、朱武、蕭譲、楽和の四人を張叔夜に従えさせ済州で宿元景と対面させ、急いで招安の準備を整えた。

 数日後、宿元景の一行がやって来るのを、宋江達は下山して出迎え、山寨へ案内した。そろって忠義堂に入り、宿元景と張叔夜は堂上に座った。蕭譲が招書を読み終えると、宋江達はひざまづいて感謝し万歳を唱えた。
 百八人に金牌銀牌、紅錦緑錦が配られ、宋江から順に御酒が配られた。儀式が終わると張叔夜は下山した。 この日は盛大な酒宴となり、聞煥章も参加し宿元景との再開を喜んだ。招安の使者一行は梁山泊に数日間滞在し開封へと戻った。聞煥章も宿元景とともに開封へと戻った。

 梁山泊では、招安となり山寨で不要な品々を地元の民に安く譲る市を開いた。宋江が近隣に市の知らせを出すと、多くの民達が梁山泊へやって来た。その間、兵士達の中で故郷へ帰りたいと願う者は、金を渡し返してやった。
 梁山泊で十日間の市が終わると、宋江達百八人、従う兵士万人は、それぞれ武器をたずさえ鎧をまとい、馬に乗り下山した。付近の住民は皆喜び、済州では張叔夜に出迎えられ、宴席に招待された。
 翌朝、済州城を出発した宋江達は開封へと向った。

 開封に到着した梁山泊軍、戴宗と燕青は宿元景に報告を済ませ、城外に駐屯した。翌日、梁山泊軍は、順天と護国のふたつの旗を先頭に、隊を組んで入城した。皇帝は高台から閲兵し、梁山泊軍の勇姿を見て大いに喜び、開封の住民も喜びあった。
 だが、梁山泊の招安を喜ぶ者ばかりではない。梁山泊軍は危険な存在であり、いつか災いを招くと、秘かに皇帝へ告げる者もいた。なかでも梁山泊に対して敵意を抱く童貫は、災いを起こす前に梁山泊の百八人ひとり残さず殺してしまうのが国の為だと皇帝に告げるのだった。


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