物語 第六十二回

不運盧俊義


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 追い詰められ、水中に落ちた盧俊義は張順によって捕らえられた。そのまま山寨に運ばれると、現れた宋江達は無礼を詫び、宴の席へと招待した。盧俊義は命の無いものと覚悟していたが手厚くもてなされ、李固と使用人達、荷物もすべて無事なので安心し、その日は盛大な宴で一日を過ごした。  宋江は盧俊義に山寨にとどまり、首領の席についてほしいとたのんだが、盧俊義にそ意思はなく、硬くことわった。翌日もまた盛大な宴が用意され、再び首領の席へつくよう勧めたが、盧俊義は山寨にとどまるつもりはなく、北京へ帰りたいと言うだけだった。

 盧俊義を首領の席につかせるために、宋江達は強引に盧俊義に下山させず、毎日酒宴を用意した。盧俊義は家の事が心配だったので、帰らせてくれるよう頼むと、呉用は李固と荷物を先に帰らせて無事を知らせればいいというと、盧俊義も断れず、言うままに李固に先に北京へ戻り、家の者に安心させる様告げると、荷物をまとめて見送った。
 李固達が下山した後で呉用は手下を率いて後を追いかけ、李固にむかって盧俊義は山に残り二位の座につく決心をしたからもう北京には帰らないと告げた。さらに壁には謀叛の詩が書かれているだろうというと、怯えている李固は急いで去って行った。

 それから数日間、頭目達がかわるがわる盧俊義を酒宴に招待した。何度も下山したいと盧俊義が言っても、まだ招待していない頭目達が宴席をもうけたいと言い、ついにふた月もの間、山寨に逗留してしまった。
 送別の宴が終わり一同に見送られ、ふた月ぶりに北京へ戻った盧俊義。城内へ入ろうとしたところで、一人の乞食がかけよってきた。よく見るとそれは燕青であったので、おどろいて訳を訪ねた。
 燕青はこれまでの事をすべて盧俊義に話した。先に戻ってきた李固は、盧俊義は謀叛をおこして山賊の仲間になったと役所に訴え出て、店を乗っ取り主人きどり。邪魔者はすべて追い出してしまい、親族や役人に金をくばっていた。

 だが盧俊義は燕青の言う事は信用せず、燕青の止めるのも聞かず振り切り、そのまま屋敷へと向かって行った。屋敷に戻ると、出迎えた盧俊義の妻と李固は驚きながらも、打ち合わせとおり盧俊義を部屋へとすすめて休ませた。燕青の事を訪ねられても知らんぷりしていた。
 盧俊義が休んでいると、突然数人の役人達が乗り込んできて盧俊義を捕えた。李固は役所に大金をばらまきていたので、役人は李固の言うがまま。盧俊義の言い訳も聞かず、牢に押し込んだ。
 盧俊義を見張る節級は鉄臂膊の蔡福と一枝花と呼ばれる蔡慶の兄弟であった。盧俊義が捕らえられたと聞いた燕青はわずかばかりの飯を手にいれ、盧俊義に差し入れをした

 李固は盧俊義が生きていては安心できないので、蔡福に大金を送り盧俊義の暗殺を依頼した。大金を約束された蔡福、一時は暗殺を承知したが、しばらくして現れた柴進から大金を受け取り、盧俊義の命を救ってほしいと頼まれると、梁山泊と聞いて驚き、弟と相談した結果、金をばらまいて盧俊義の命を救うように働きかけた。
 翌日になっても盧俊義の暗殺が行われず、焦った李固は蔡兄弟から梁中書にまで賄賂を送ったが、結局手をくだす者がなく、盧俊義は沙門島へと流刑となった。

 護送するのは、以前林冲を暗殺しようとして魯智深に邪魔され失敗した董澄と薛覇だった。出発前、李固は二人に金を渡し、護送途中で盧俊義を暗殺する様に依頼した。
 金を受け取った董澄と薛覇は以前林冲を痛めつけた様に、盧俊義の足を熱湯で火傷させ、歩けないように痛めつけ、途中人気のない森の中で休ませるふりをして木に縛りつけ暗殺しようとしたが、三人の後をつけて盧俊義を助けだす機会を伺っていた燕青の射た矢によって、董澄と薛覇の二人は射殺された。燕青は盧俊義を背負い、梁山泊を頼って歩いた。

 傷の癒えない盧俊義のため、道を急がず途中宿をとって休んだ。燕青は盧俊義のために食料調達に出かけ、得意の弩で数羽の鳥を射落とし、宿へと帰ってみると、大勢の役人に取り囲まれた盧俊義の姿があった。董澄と薛覇の死体が見つかった事から、この近辺にも盧俊義への手配がまわり、怪しい客がいると宿の者から訴えがでいた。
 再び捕らえられ連れ去られる盧俊義。燕青は助け出す方法もなく、梁山泊へ助けを求めようと東へと向かった。途中、燕青と偶然出会ったのは北京の様子を探りに行こうとしていた楊雄と石秀。燕青は路銀を稼ごうと二人に襲いかかったが、石秀に打ち負け、ひっくり返ったとき燕青の見事な刺青に気付き、うまく出会う事ができた。

 燕青は二人にこれまでの出来事を話すと、石秀はその後の盧俊義の様子を探るため北京へと向かい、燕青は楊雄とともに梁山泊にもどって事情を知らせる事とした。
 朝早く北京へ入った石秀は、この日盧俊義が処刑が行われる聞き、急いで処刑場にある酒楼の二階へあがり様子を探っていた。役人達の群の中には梁中書の姿があり、その指揮の元、処刑の準備が行われ、しばらくして連れ出された盧俊義の前に首斬り役人の蔡福・蔡慶兄弟が現れた。盧俊義の首枷がはずされ、処刑の時間となったところで、石秀は刀を抜き、酒楼の二階から大声を上げて処刑場の中央へと飛び下りた。

 石秀は刀を振り回し、盧俊義を囲んでいる役人を斬りながら、命がけで盧俊義を救出した。蔡福と蔡慶は梁山泊の好漢が来たと聞いたとたん、慌てて盧俊義の縄を外し逃げさっていた。
 役人達は梁山泊と聞き、一時はとりみだしたものの敵は一人だと気付くと、梁中書は二人を追いかけて捕らえるよう命令した。
 盧俊義を抱えて逃げ出す石秀だが、北京の道を知らないために逃げ道を失い、捕手達によって城壁へと追い詰められてしまった。


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