物語 第五十八回

三山の合流


<前解説目次次>

 楊志は青州城を攻め落とし孔明を助け出すには、梁山泊の力をかりなければ無理だと魯智深と武松に言った。呼延灼は梁山泊の敵でもある。宋江と親しい孔亮は梁山泊に援軍を求める使者となった。
 数日して梁山泊の李立の酒店に到着し、知らせをうけた宋江が金沙灘まで孔亮を出迎えた。再会を喜ぶもつかの間、孔亮は涙を流して青州での出来事を詳しく話した。
 行方をくらました呼延灼の行き先がわかり、孔明が危機にあると知った宋江は、晁蓋に出陣を願い出た。かくして宋江は呉用・秦明・花栄・柴進・朱仝・穆弘・李俊・張横・楊雄・解兄弟・孫立・欧鵬・楊林・燕順・呂方・郭盛・王英・凌振を引き連れ、大軍を率いて青州に向かった。

 数日がたち、青州に到着した梁山泊軍。あらかじめ孔亮から宋江到着の知らせを受けた武松は出迎えて再会を喜びあい、魯智深達をそれぞれ紹介し、青州の状況を詳しく伝えた。
 孔亮が出発したあと、魯智深達は相談して二竜山に残っている施恩達と手下を集め、桃花山からも李忠と周通を呼びよせ、何度か青州城を攻めたが、呼延灼の守備する青州城の守りは固く、落とす事はできずにいた。
 青州の好漢達の歓迎をうけた宋江達、再会を果たした者同士は喜びあった。梁山泊軍は一晩休息をとり、攻略の策を練って翌朝から青州城攻めを開始した。

 梁山泊軍は城を包囲し、攻撃をはじめた。まず梁山泊側から飛び出したのは秦明、青州の兵士から知らせを受けた慕容は、謀叛者の秦明と聞いて怒り、すぐに呼延灼を呼び出陣させた。
 対峙した二人、秦明は狼牙棒、呼延灼は双鞭を握り戦いはじめた。五十合ほど渡りあったが、二人の腕はほぼ互角で勝負がつかず、呼延灼の身を心配した慕容は退かせた。秦明も引き上げ、梁山泊軍は退き陣を布いた。
 慕容は手強い梁山泊軍とどう戦うかを呼延灼と相談し、開封に援軍を求める使者を送り出した。

 翌朝早く呼延灼のもとに、高台から三人が城を偵察しているとの報告がはいった。ひとりは花栄だときき、服装から察するにあとの二人は宋江と呉用らしい。呼延灼は急いで身支度を整え百騎ほどの兵を率いて飛び出すと、呼延灼に気付いた宋江達は逃げ出す。功を焦り計略ともしらず追いかけた呼延灼は、呉用の計略にかかり落とし穴に馬ごと落とされ、捕らえられた。
 捕虜となった呼延灼に対し、宋江は自ら縄を解き仲間入りをすすめた。すでに命は無いものと覚悟していた呼延灼だったが、元々天罡星のひとつであり、宋江からは礼をつくして説得されたので仲間入りを承諾した。

 青州城を落とすため、呼延灼は偽って城門を開けさせる事を約束し、十人の好漢が呼延灼の部下に扮して後に続き、青州城に向かった。
 そのころ慕容は、頼りにしていた呼延灼が捕らえられたと聞きうろたえていた。そこへ城門の前に呼延灼がやってきたと知らせを受け、慌てて城門に向かった。
 門の上から見ると、確かに呼延灼の姿があった。訪ねてみると、元の部下の手を借りて逃げ出して来たと言う。慕容は喜び、城門を開けさせた。呼延灼達が城門くぐったとたん、手下に扮していた好漢は一斉に青州兵に襲いかかり、城門を占領した。
 秦明の狼牙棒ははやくも慕容をとらていた、家族のうらみを晴らした。

 梁山泊軍は城内へ入り、幽閉されていた孔賓と孔明を助けだし、金品や食料品を奪った。城内では好漢達が酒宴をひらき、宋江のすすめで二竜山・桃花山・白虎山の好漢達は梁山泊へ合流する事とした。それぞれ山寨に使いを出し、荷物をまとめ山寨を焼きはらい、梁山泊入りする準備を行った。
 数日して、新たに仲間入りした多くの好漢達とともに梁山泊へと凱旋すると、出迎えた晁蓋以下頭目一同は喜びあった。新しく仲間入りした呼延灼・魯智深・武松・楊志・孔兄弟・施恩・曹正・李忠・周通・張青・孫二娘の歓迎の酒宴が盛大に開かれ、それぞれ役職を与えられ、家族には住居が用意された。

 ある日の事、魯智深は宋江に少華山の史進達を梁山泊に誘いたいと相談すると、史進の噂を聞いていた宋江は喜んで承諾し、武松とふたりで華州へ行かせる事とした。念のために後から戴宗に様子を探るよう命じた。
 数日して華州に入った魯智深と武松、まっすぐ少華山へ向かった。手下から魯智深がやって来たと知らせを受けた朱武・陳達・楊春が出迎えた。魯智深は史進の姿が見えないので朱武に訪ねると、史進は少華山近くを通りかかった不幸な絵かき王義の娘、王矯枝を助ける為に華州城へ単身乗り込んだが、捕らえられ牢に入れられ、手が出せない言う。

 王義から詳しい話を聞いた魯智深、史進の危機を知り、今すぐに助けに行くと言う。武松が止めるのも聞かず、ひとり華州城へ向かって行った。
 魯智深は華州城に乗りこみ、王義から聞いていた太守を懲らしめようと役所の前で錫杖を構えて待ち伏せていたが、邪魔者が多く手が出せずにいた。篭に乗っていた太守は魯智深の姿を見て殺気を感じたので、お斎をさし上げると言って魯智深を誘きいれた。機会を伺っていた魯智深は、迷わず役所へと足を踏み入れた。
 兵士は魯智深を中へと案内し、錫杖と守刀を外させると、一斉に襲いかかった。


<前解説目次次>