第22章  電場と磁場の統一


(1) 2つの電荷量の間に働く力の座標変換

  一般的な単位系 ( S I 単位系 ) においては、 一般的に電束密度、 磁場、 電場は次の式で表されます。

    電束密度 :
           
    磁場 :
           
    電場 :
           

電束密度 と 電場 を、 目・工・田 単位系 で表しますと、 次のようになります。

    電束密度
                  
    電場 :
           

  私の慣性系相対性理論では、 次のような 「 実質磁場 」 と 「 実質電場 」 を電磁場として用います。 それらは、 目・工・田 単位系 を用いて、 次のように表されます。

   実質磁場 : ( 私は、 電束密度のことを 「 実質磁場 」 と言っています。)
           

               そして、 ローレンツ力は次の式で表されます。
                   

   実質電場 : ( 私は、 電場を光の速さで割ったものを 「 実質電場 」 と言っています。)
           

               そして、 クーロン力は次の式で表されます。
                   


  これから、 同じ速度で移動している2つの電荷量の間に働く力の座標変換について考えてみましょう。
  第1観察者の空間原点 には、 絶対時点 のとき、 電荷量 を持つ物質Aがあり、 X軸の正の方向に速さ で等速直線運動しています。 第1観察者の4次元時空間座標系の時空点 における 実質電場 と 実質磁場 を次のように表します。 これらの電磁場は、 物質A以外のものによっては作られないとします。
     
     実質電場 :  ,   実質磁場 : 

  また、 第1観察者の4次元時空間座標系の時空点 には電荷量 を持つ物質Bが存在しており、 それはX軸の正の方向に速さ で等速直線運動しています。

  第1観察者にとっての物質Aや物質Bの空間速度を  で表すと、  になります。
  また、 時空点 の空間原点からの空間位置ベクトルは次のようになります。
     
  第1観察者の座標系での、 物質Aの持つ 「 相対的空間電気量 」 の大きさは で、 物質Bの持つ 「 空間電気量 」 の大きさは です。

  さらに、 第1観察者に対して、 X軸の正の方向に速さ で等速直線運動している第0観察者がいます。 2人の時空原点は一致しています。 第0観察者の4次元時空間座標系の時空点 における 実質電場 と 実質磁場 を次のように表します。
     
     実質電場 :  ,   実質磁場 : 

  このとき、 第0観察者の空間原点には物質Aが静止しており、 第0観察者の4次元時空間座標系の時空点 には静止している物質Bが存在していることになります。
  第0観察者にとっての物質Aや物質Bの空間速度を  で表すと、  になります。
  また、 時空点 の空間原点からの空間位置ベクトルは次のようになります。
     
  第0観察者の座標系での、 物質Aの持つ 「 相対的空間電気量 」 の大きさは で、 物質Bの持つ 「 空間電気量 」 の大きさは です。


  では、 第1観察者の座標系において、 物質Aが物質Bに及ぼす電磁気的な力を求めてみましょう。
  まず、 第1観察者の時空点 における実質電場 ( ) を求めます。
 であり、   のとき
 ですから、 は次のようになります。
     
したがって、 物質Aが物質Bに及ぼすクーロン力 は、 次のようになります。
     

  次に、 第1観察者の時空点 における実質磁場( ) は です。 なぜなら、 磁場を作るのは、 「 空間電気量 」 ではなく、 「 相対的空間電気量 」 だからです。 したがって、 第1観察者にとって、 物質Aが物質Bに及ぼすローレンツ力 です。
  したがって、 第1観察者にとって、 物質Aが物質Bに及ぼす電磁気学的な力 は、 次のようになります。
     


  続いて、 第0観察者の座標系において、 物質Aが物質Bに及ぼす電磁気的な力を求めてみましょう。
  まず、 第0観察者の時空点 における実質電場 ( ) を求めます。
 であり、   のとき
 ですから、 は次のようになります。
     
したがって、 物質Aが物質Bに及ぼすクーロン力 ( ) は、 次のようになります。
     
  次に、 第0観察者の時空点 における実質磁場 ( ) は です。 したがって、 物質Aが物質Bに及ぼすローレンツ力 ( ) は です。
  したがって、第0観察者にとって、 物質Aが物質Bに及ぼす電磁気学的な力 ( ) は、 次のようになります。
     

  そういうわけで、 第1観察者の座標系と第0観察者の座標系とで、 物質Aが物質Bに及ぼす電磁気学的な力が等しくなっており、 相対性原理が成立していることがわかります。


  次に、 今の状況に加えて、 第1観察者の空間原点 に、 電荷量 を持つ物質Cが静止している場合について考えてみましょう。 今度は、 物質Aと物質Cとが物質Bの存在する空点に電場や磁場を作ることになります。
  またこの場合は、 第1観察者の座標系での、 物質Aの持つ 「 相対的空間電気量 」 の大きさは で、 物質Bの持つ 「 空間電気量 」 の大きさは になります。 また、 第0観察者の座標系での、 物質Aの持つ 「 相対的空間電気量 」 の大きさは で、 物質Bの持つ 「 空間電気量 」 の大きさは になります。

  では、 第1観察者の座標系において、 物質Aと物質Cとが物質Bに及ぼす電磁気的な力を求めてみましょう。
  まず、 第1観察者の時空点 における実質電場 ( ) は です。 したがって、 物質Aと物質Cとが物質Bに及ぼすクーロン力 です。

  次に、 第1観察者の時空点 における実質磁場 ( ) を求めます。
 であり、   のとき
 ですから、 は次のようになります。
     
  さて、 に対して を外積させるという演算 は、 一般の外積では で表されますが、 それは、 次のようなベクトルの成分からなる行列の積で表されます。
     
                         
これを用いて実質電場を求めると、 次のようになります。
     
したがって、 物質Aと物質Cとが物質Bに及ぼすローレンツ力 ( ) は、 次のようになります。
     
  したがって、 第1観察者にとって、 物質Aと物質Cとが物質Bに及ぼす電磁気学的な力 は、 次のようになります。
     

  続いて、 第0観察者の座標系において、 物質Aと物質Cとが物質Bに及ぼす電磁気的な力を求めてみましょう。
  まず、 第0観察者の時空点 における実質電場 ( ) は です。 したがって、 物質Aと物質Cとが物質Bに及ぼすクーロン力 ( ) は です。
  次に、 第0観察者の時空点 における実質磁場 ( ) を求めます。
     
  したがって、 物質Aと物質Cとが物質Bに及ぼすローレンツ力 ( ) は、 次のようになります。
     

  さて、 ここで忘れてならないのは、 「 仮想電場 」 の存在です。 時空点 に形成された実質磁場 ( ) は、 χ軸の負の方向に速さ で、 移動しています。 なぜなら、 その速度は、 その実質磁場の産みの親であるところの 「 相対的空間電気量 」 を形成している負の電荷量の速度に等しいからです。 つまり、 物質Cの速度に等しいからです。 したがって、 時空点 には次のような仮想電場 ( ) が形成されています。
     
したがって、 仮想電場により物質Bが受ける力( ) は次のようになります。
     

  したがって、第0観察者にとって、 物質Aと物質Cとが物質Bに及ぼす電磁気学的な力 ( ) は、 次のようになります。
     

  そういうわけで、 この場合も、 第1観察者の座標系と第0観察者の座標系とで、 物質Aと物質Cが物質Bに及ぼす電磁気学的な力が等しくなっており、 相対性原理が成立していることがわかります。



(2) 失敗に終わった 「 電場と磁場の完全統一 」 への試み

  光が電磁波の一種であることを発見したファラディーの考え方をさらに発展させて、 次のように言うことはできないでしょうか?

    「 電場と磁場は電磁場という同じものの別々の形態にすぎない。 電場と磁場は、
    全く同じ物理量であり、 観察のされ方によって、 どちらかの占める割合が大きく
    見えてくるというようなものである。」

  そこで、 「 光子の電磁場的振動の法則 」 を次のように変更してみます。 なぜなら、 そのほうが自然な感じがするからです。

    「 電荷量を持つ物質中の光子の電磁場的振動は、 どんな観察のされ方をして
     も、 単位絶対時間あたりの振動数、 つまり、 光子の電磁場的振動の速さ ( 電
     荷量 ) は一定であり、 その振動は 空間成分 と 相対時間成分 に分解されて、
     それぞれが空間を速さ で伝わっていく。  前者は、 磁場を形成してローレン
     ツ力を生み、 後者は、 電場を形成してクーロン力を生む。」

  すると、 クーロンの法則は次のように書き直されます。

    

  つまり、 電場を生むのは、 「 4次元時空間電気量 」 ではなく、 「 相対時間電気量 」 であるとするのです。

  すると、 「 実質電場 」 と クーロン力は、 それぞれ次のように表されます。
     
     

  また、 磁場を生むのは、 「 相対的空間電気量 」 ではなく、 「 空間電気量 」 であるとします。 なぜなら、 そのほうが自然な感じがするからです。 すると、 次のようになります。
     

  これから、 先ほど考えたように、 同じ速度で移動している2つの電荷量の間に働く力の座標変換を考えてみましょう。
  設定は先ほどの最初と全く同じにします。 ( 物質Cは存在しません。) すると、 第1観察者の座標系での、 物質Aの持つ 「 相対時間電気量 」 の大きさは であり、 物質Bの持つ 「 空間電気量 」 の大きさは になります。 また、 第0観察者の座標系での、 物質Aの持つ 「 相対時間電気量 」 の大きさは であり、 物質Bの持つ 「 空間電気量 」 の大きさは になります。


  では、 第1観察者の座標系において、 物質Aが物質Bに及ぼす電磁気的な力を求めてみましょう。
  まず、 第1観察者の時空点 における実質電場 ( ) を求めます。
 であり、   のとき、
 ですから、  は次のようになります。
     
     
  次に、 第1観察者の時空点 における実質磁場 ( ) を求めます。
     
                      

  さて、 「 4次元時空間電気量 」 に 「 電磁場テンソル 」 を作用させることによって、 「 4次元電磁気力 」 を得ることができます。
    
    
    
    つまり、
        
                 
                                   ただし、
* コメント:
 ● ローレンツ力は、 次のように表されます。
     
            
 ● クーロン力は、 次のように表されます。
     

  ここで、 「 複素数電磁場テンソル 」 を紹介させていただきます。
    
を用いると、 「4次元電磁気力 ( )」 は、 次のようになります。
    
          ただし、 
                       私は、 を 「 複素数4次元電気量 」 と言っています。
    つまり、
        
                  

  では、 元に戻って、 第1観察者にとっての物質Aが物質Bに及ぼす電磁気的な力を求めてみましょう。 第1観察者の座標系において、 物質Aが物質Bに及ぼす 「4次元電磁気力 ( )」 は、 4次元時空間電気量に電磁場テンソルを作用させて、 次のようになります。
    
      
      

  続いて、 第0観察者の座標系において、 物質Aが物質Bに及ぼす電磁気的な力を求めてみましょう。
  まず、 第0観察者の時空点 における実質電場 ( ) を求めます。 先ほどと同じです。
     
  次に、 第0観察者の時空点 における実質磁場 ( ) は です。
  したがって、 物質Aが物質Bに及ぼす 「 4次元電磁気力 」 は、 次のようになります。
    
       

  したがって、  です。 つまり、 第1観察者の座標系と第0観察者の座標系とでは、 物質Aが物質Bに及ぼす力 が異なります。 本当は、 第1観察者にとっても第0観察者にとっても、 物質Aが物質Bに及ぼす電磁気的な力は等しくて、 相対性原理が成り立っていることを期待して、 先ほどの仮定をしたのですが、 残念ながら思うようになりませんでした。 もし、 同じ方向に電流が流れている導線の間に斥力が働き合うのでしたら、 うまくいくのですが、 残念! 現実はその反対の引力なのです。
  そこで、 「 複素数電磁場テンソル 」 の出番です。 これを使って、 を求めてみましょう。
    
       
       

    
       

  したがって、  かつ  です。 これで、 すっきりしましたね。 しかし、 私は、 「 虚数時間を採用しているミンコフスキー時空間 」 は現実のものではなく、 物理学が扱うべきものではない と考えますので、 「 複素数電磁場テンソル 」 を用いてしか説明できない事柄は間違いであると思います。 そこで、 この章の (2) の仮説はすべて却下することにします



(3) マクスウェル方程式に秘められた複素数電磁場の謎

  ミンコフスキー空間には電磁場が形成されているとします。 すると、 時空間を移動している電荷量は 「 4次元電流 」 を形成しますので、 この電荷量には電磁場により 「 4次元力 」 が作用します。 ある時空点における電磁場を表すのが 「 複素数電磁場テンソル 」 です。 「 複素数電磁場テンソル 」 は、 6つの成分から成る4行4列の反対称行列で表されます。

    
               *  は実質電場です。 実質電場は電場を光の速
                さで割ったものです。
                 目工田単位系では、 実質電場は電場と同じです。

  「 複素数電磁場テンソル 」 を 「 複素数4次元電流 」 に作用させると、 「 複素数4次元力 」 が得られます。 それは次の線形ベクトル関数式で表されます。
    

  マックスウェルの方程式は、 「 複素数電磁場テンソル 」 の各成分の関係を示しているとともに、 次のことを秘めています。
  「 ミンコフスキー4次元時空間において、 複素数電磁場テンソル を偏微分すると、 複素数4次元時空間電気量密度 に 透電磁率 をかけたものが 得られる。」

  これから、 このことについて説明します。
「 複素数電磁場テンソル 」 を、 成分を用いて次のように表します。
    

また、 4次元時空間座標 を次のように で表します。
    

  これから、 マクスウェルの方程式を、 複素数電磁場テンソルの成分 と 4次元時空間座標 で表わしてみることにします。

マクスウェルの方程式 ( 目工田単位系 ) :
     【 T 式 】  
     【 U 式 】  
     【 V 式 】  
     【 W 式 】  


  まず、 マクスウェルの方程式を演算子記号を用いないで表すと、 次のようになります。
【 T 式 】
          ・ ・ ・ ・ ・ (式001)
                        * 
【 U 式 】
               ・ ・ ・ ・ ・ (式002)
【 V 式 】
    
                           
【 W 式 】
   
     

【 V 式 】 より、
         ・ ・ ・ ・ ・ (式003)
         ・ ・ ・ ・ ・ (式004)
         ・ ・ ・ ・ ・ (式005)
【 W 式 】 より、
         ・ ・ ・ ・ ・ (式006)
         ・ ・ ・ ・ ・ (式007)
         ・ ・ ・ ・ ・ (式008)

まず、 【 U 式 】 と 【 V 式 】 をまとめてみます。
(式002)より、
        ・ ・ ・ ・ (式002')
(式003)より、
    
    
    
        ・ ・ ・ ・ (式003')
(式004)より、
    
    
        ・ ・ ・ ・ (式004')
(式005)より、
    
        ・ ・ ・ ・ (式005')

(式002') 〜 (式005') の4つの式は、 次の式にまとめることができます。
    
                * ただし、 は、 それぞれ異なる 0 〜 3 の整数


    

次に、 【 T 式 】 と 【 W 式 】 をまとめてみます。
(式001)より、
    
        ・ ・ ・ ・ (式001')
(式006)より、
    
    
        ・ ・ ・ ・ (式006')
(式007)より、
    
        ・ ・ ・ ・ (式007')
(式008)より、
    
        ・ ・ ・ ・ (式008')

(式001') と (式006') 〜 (式008') の4つの式をまとめて記述します。
    
    
    
    

ですから、 これら4つの式は次のようになります。
    
    
    
    

これらの4つの式は、 次の式にまとめることができます。
    

したがって、 次の式が得られます。
    

        * コメント:
             ベクトル:  を、 次のように表すことにし
            ます。
                  
             テンソルをベクトルで偏微分するとベクトルが得られます。

  この式は次のように表すことができます。
    
                : 4次元時空間位置ベクトル
                : 複素数4次元時空間電気量密度
                : 複素数電磁場テンソル
                : 透電磁率  



(4) 電磁波の発見

  特殊相対性理論の2大原理は、 「 相対性原理 」 と 「 光速一定不変 」 であり、 特殊相対性理論の根本は、 「 ローレンツ変換 」 です。 「 ローレンツ変換 」 は、 マクスウェル方程式に対する 「 相対性原理 」 の要請から導かれると共に、 「 光速一定不変 」 からも導かれます。 前者はローレンツによってなされ、 後者はアインシュタインによってなされました。 時期的には、 ローレンツのほうが少しだけ前になります。
  光とは人間の視覚で捉えることのできる電磁波ですので、 人間を超える自然の立場に立つ物理学では、 「 光 」 という言葉を 「 電磁波 」 という物理学用語に置き換えたほうがわかりやすいと思います。 これだけでも、 マクスウェル方程式が取り扱っている 電場 や 磁場 は 光 と密接な関係にあることが解ります。 4次元時空間を移動している電荷量によって形成される 電場 や 磁場 は、 周囲の空間に伝わります。 たとえば、空間に静止している電荷量は、 電場を形成し、 それが周囲の空間に伝わります。 それは、 遠くにいる人に、 大きな声で直接言葉が伝わるのではなくて、 隣の人から隣の人へと小さな声で伝言していって伝わるのに似ています。 ただし、 電場は、 この場合の多くの人に相当する媒体がなくとも空間を伝わっていきます。 もし、 その電荷量が単振動を始めたら、 それは電場だけでなく磁場も形成しますが、 このとき、 電場や磁場は周囲の空間にどのように伝わっていくのでしょうか? 伝わるスピードが静止している電荷量が形成する電場の伝わる速さと同じであることは、 誰にも想像がつくと思います。 電荷量が単振動すると、 その振動方向に垂直なすぐ近くの空点では、 強さが変化し向きが正の方向になったり負の方向になったりする電場が形成されます。 すると、 その単振動する電場によって、 強さが変化し向きが正の方向になったり負の方向になったりする磁場が形成されます。 すると、 その単振動する磁場によって、 強さが変化し向きが正の方向になったり負の方向になったりする電場が形成されます。 この変化する 電場 と 磁場 の 「 いたちごっこ 」 の作用によって生まれるのが電磁波です。 その振動は、 水面の波のように、 ある空点での位相が隣の空点の位相に少しずつ遅れて伝わり、 全体として、 電磁場の横波として周囲の空間に広がっていきます。 電磁波の伝わる速さは、 電場や磁場の伝わる速さと同じです。


  実質電場や実質磁場を4次元時空間に拡張し、 次のように表します。
    実質電場 :     実質磁場 : 

すると、 電荷量の存在しない空間において、 次の2つの式が成り立ちます。
         ・ ・ ・ ・ ・ (式 22-1)
         ・ ・ ・ ・ ・ (式 22-2)

  まずこれから、 このことについて説明します。
ちょっとその前に、 ベクトル解析の基本公式を掲載しておきます。

  スカラー : 
  ベクトル : 
        ( ハミルトン演算子 )
     ( ラプラス演算子

  勾配 : 
                     は、 スカラー を ベクトル に変換する演算子です。

  発散 : 
                     は、 ベクトル を スカラー に変換する演算子です。

  回転 : 
            
                     は、 ベクトル を ベクトル に変換する演算子です。

   
   


  では、 本題に入りましょう。 電磁気学の公理はマクスウェルの方程式にまとめられていますので、 まずここから始まります。

電荷量の存在しない空間におけるマクスウェルの方程式 ( 目工田単位系 ) :
      
     
     
     

ベクトル解析の公式 と 式 より、
     
             
                ・ ・ ・ ・ ・ (式 22-3)
と 式 より、
     
                ・ ・ ・ ・ ・ (式 22-4)
(式 22-3) と (式 22-4) より、
     
  

上式を成分表示すると、 次のようになります。
     
     
     
     

ベクトル解析の公式 と 式 より、
     
             
                ・ ・ ・ ・ ・ (式 22-5)
と 式 より、
     
                ・ ・ ・ ・ ・ (式 22-6)
(式 22-5) と (式 22-6) より、
     
  

 以上より、 電荷量の存在しない真空中では、 電場と磁場に関して、 (式 22-1) と (式 22-2) が成り立っていることがわかりました。

  (式 22-1) や (式 22-2) の式の形は、 「 波動方程式 」 と言われます。 波動方程式は次のような形をしています。
     ただし、 は 波動関数 : 
                  は ダランベルシアン : 

  そこでたとえば、 空間をZ軸方向にだけに伝わり、 かつX軸方向にのみ振動する電場の波動方程式を次のようにします。
    
これは、 次のようにも表されます。
    

これが次の式たちを満たすことを以下に示します。
     
     
     
     

  まず、 Y,Z,T 軸 に関しては、  より明らかに成り立っています。
  また、 X 軸 に関しては、  ですから、 結局
 が   を満たすことを言えばいいわけです。


      
      
      
      

ここで、  より、 次の式が成り立ちます。
          
したがって、  になることがわかります。

  次に、 マクスウェル方程式の 式 を思い出してください。 以下に再掲します。
     
  ここで、 この式に  を代入します。
すると、 左辺は次のようになります。
     
         
         
したがって、 次のようになります。
    
したがって、 は次のようになります。
    
ここで、  より、 次の式が成り立ちます。
    
したがって、 次のようになります。
    

こうして、 私たちは、 結局次の2つの式を得ました。
      
      
  これらの より、 私たちは電磁波の存在に気づきます。 それは、 同じ位相と振幅の電場と磁場が直角方向に振動しながら のベクトルの方向に速さ で空間を伝わる波です。




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